てんかんは、脳内の異常な電気信号(てんかん発作)が繰り返し起こる病気です。有病率は人口の約0.5〜1%とされており、あらゆる年齢に発症します。正しく治療を続けることで、多くの方が発作をコントロールできます。
てんかんの定義
国際抗てんかん連盟(ILAE)の定義では、以下のいずれかを満たす場合にてんかんと診断します。
- 24時間以上の間隔をあけて2回以上の発作が起きた
- 1回の発作が起き、今後も再発の可能性が高い(原因となる脳の異常がある)
発作の種類
てんかん発作は大きく「焦点起始発作」と「全般起始発作」に分類されます。
- 全般強直間代発作(大発作):意識を失い、全身が硬直・けいれんする
- 欠神発作:数秒間、意識が途切れてぼーっとする(小児に多い)
- 焦点意識保持発作:意識を保ったまま、手の動き・感覚異常・自動症などが起こる
- 焦点意識減損発作:意識が曇り、口をもぐもぐさせるなど目的のない動作をする
原因
原因は多岐にわたります。脳腫瘍・脳卒中・頭部外傷・感染後の変化などが見つかる場合と、検査でも原因が明らかにならない場合(特発性)があります。
薬物療法
抗てんかん薬(AED)を用い、血中濃度を適切な範囲に保つことで発作をコントロールします。約70%の方が薬物療法で発作をコントロールできるとされています。薬の種類・用量の選択は発作タイプ・年齢・合併症・他の服薬状況を考慮して行います。
当院の対応範囲
てんかんの確定診断には脳波検査・MRIが必要なため、当院では検査機器の設備上、初診・精密検査・手術適応の判断は高次医療機関(神経内科・脳神経外科)にご紹介しています。診断確定後の薬物療法の継続管理については当院でも対応可能です。
日常生活の注意点
発作をコントロールできていない間は、自動車の運転・水泳・高所作業などに制限があります。運転免許については道路交通法の規定があり、医師との相談が必要です。
参考文献・出典
- Fisher RS, et al.. ILAE official report: a practical clinical definition of epilepsy. Epilepsia. 2014.
- 日本神経学会. てんかん診療ガイドライン2018. 医学書院. 2018.
- Fiest KM, et al.. Prevalence and incidence of epilepsy: a systematic review and meta-analysis of international studies. Neurology. 2017.
- Kwan P, Brodie MJ. Early identification of refractory epilepsy. New England Journal of Medicine. 2000.
- Nevitt SJ, et al.. Antiepileptic drug monotherapy for epilepsy: a network meta-analysis of individual participant data. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2017.
免責事項:本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の個人に対する診断・治療を目的とするものではありません。体調に不安がある方は必ず医療機関を受診してください。
著者:長友 恭平(精神保健指定医 / よつば加納クリニック 院長)|最終更新:2026年4月
著者:長友 恭平(精神保健指定医 / よつば加納クリニック 院長)|最終更新:2026年4月

