👉 適応障害の全体像については「適応障害とは?症状・原因・治療を精神科医が解説」をご覧ください。
職場の異動、上司との関係、業務過多——はっきりしたストレス源があり、そこから離れると症状が和らぐのが適応障害の特徴です。
「うつ病ほど重くない」と思われがちですが、出勤できない・涙が止まらない・不眠が続くなどの症状が出ている場合は、休職して環境から距離を取ることが回復への第一歩になります。
適応障害とうつ病の休職——何が違う?
| 項目 | 適応障害 | うつ病 |
|---|---|---|
| 原因 | 明確なストレス源あり | 複合的(不明なことも) |
| ストレスから離れると | 比較的早く改善する | 離れても改善に時間がかかる |
| 休職期間の目安 | 1〜3か月が多い | 3〜6か月以上 |
| 復職のポイント | ストレス源の調整が重要 | 十分な回復+段階的復帰 |
休職までの流れ
STEP 1:精神科・心療内科を受診する
- 「仕事のことを考えると動悸がする」「出勤前に涙が出る」など、具体的な症状を伝えましょう
- ストレスの原因(異動・上司・業務内容など)もできる範囲で伝えると診断に役立ちます
STEP 2:診断書を取得する
- 適応障害の場合、診断書の病名は「適応障害」または「適応反応症」と記載されることが一般的です
- 休業期間はまず1か月から記載し、経過を見て延長するケースが多い
STEP 3:会社に提出する
伝え方のポイント:
- 「体調不良で医師から休養が必要と言われました」——これで十分です
- ストレス源が上司の場合、人事部に直接提出することも可能です
- メールでの連絡でも構いません。無理に出社する必要はありません
- 就業規則の「休職制度」を確認しましょう(中小企業では制度がない場合もあります)
STEP 4:傷病手当金を申請する
うつ病と同様に、健康保険の傷病手当金(月給の約2/3、最長1年6か月)を受給できます。適応障害でも「就労不能」であれば対象です。
休職中にやるべきこと
- まず休む:最初の1〜2週間はストレス源から完全に離れ、心身を休めることに集中
- 生活リズムを保つ:休職中も朝は決まった時間に起き、日光を浴びる
- 定期通院を続ける:2〜4週間に1回のペース
- ストレス源の整理:「何が一番つらかったか」を言語化し、主治医やカウンセラーと共有する
- 復職条件を考える:部署異動・業務変更・上司変更など、何があれば復職できるかを整理する
適応障害の休職で特に重要なこと
適応障害はストレス源が明確なため、「ただ休むだけ」では根本的な解決にならないことがあります。
- 復職時にストレス源が同じままだと再発リスクが高い
- 休職中に、産業医面談・人事面談を通じて職場環境の調整を依頼することが重要
- ストレスへの対処スキル(認知行動療法的な考え方)を学ぶことも有効
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まとめ
- 適応障害でも休職は可能。傷病手当金も受給できる
- ストレス源から離れることで比較的早く回復する
- ただし「復職時の環境調整」がなければ再発しやすい
- 休職中に復職条件を整理し、産業医・人事と調整する
【免責事項】本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状が続く場合や気になることがある場合は、医療機関を受診してください。
著者:精神保健指定医・長友恭平(よつば加納クリニック院長)
著者:精神保健指定医・長友恭平(よつば加納クリニック院長)
参考文献
- 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(改訂版 2020年)
- 日本産業衛生学会「職域のメンタルヘルス不調 第一歩から治療まで」(2018年)
- WHO ICD-11「6B43 Adjustment disorder」
