そううつ病(双極性障害)は、気持ちが落ち込んでやる気が出なくなるうつ状態と、活動的で元気になる躁状態を繰り返す病気です。人口100人に約1人が発症するとされています。
双極Ⅰ型・Ⅱ型の違い
双極性障害にはうつ状態に加えて激しい躁状態が起こる双極Ⅰ型と、うつ状態に加えて軽い躁状態(軽躁状態)が起こる双極Ⅱ型があります。
| 双極Ⅰ型 | 双極Ⅱ型 | |
|---|---|---|
| 躁状態の強さ | 激しい躁(入院を要することも) | 軽躁(日常生活は概ね維持) |
| 本人の気づき | 躁時は「調子が良い」と感じる | 軽躁は「元気になった」と感じやすい |
躁状態の主な症状
- 睡眠が少なくても元気に活動できる
- 気分が高揚し、何でもできると感じる(誇大感)
- 考えが次々と湧き出て止まらない(観念奔逸)
- 衝動的な行動(過剰な買い物・性的逸脱・無謀な投資など)
- 口数が多くなり、話が止まらない
なぜうつ病と間違われるのか
患者さんは躁状態のときに「病気が治った」「調子が良い」と感じるため、大抵はうつ状態を訴えて受診します。そのため最初はうつ病と診断されやすく、抗うつ薬のみを処方された場合に躁転(躁状態への急激な移行)を引き起こすことがあります。
治療
治療の主軸は気分安定薬(炭酸リチウム・バルプロ酸(デパケン)・ラモトリギン(ラミクタール)など)です。抗うつ薬の単独使用は躁転のリスクがあるため推奨されません。薬物療法に加え、睡眠・生活リズムの安定化と心理教育が再発予防に有効です。
病気に影響されていた行動を責めないでください
躁状態のときに行った衝動的な行動(浪費・トラブルなど)は、病気の症状によるものです。本人の人格や意志の問題ではありません。回復後に過度に自己批判することなく、再発予防に向けて前向きに取り組むことが大切です。
⚠ 希死念慮・自殺念慮について
双極性障害のうつ状態では、死にたい気持ちや自殺念慮が生じることがあります。そのような状態になった場合は、一人で抱え込まず速やかにご連絡ください。
・いのちの電話:0120-783-556(無料・24時間)
・よりそいホットライン:0120-279-338(無料・24時間)
双極性障害のうつ状態では、死にたい気持ちや自殺念慮が生じることがあります。そのような状態になった場合は、一人で抱え込まず速やかにご連絡ください。
・いのちの電話:0120-783-556(無料・24時間)
・よりそいホットライン:0120-279-338(無料・24時間)
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参考文献・出典
- American Psychiatric Association. DSM-5 Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders. APA. 2013.
- 日本うつ病学会. 双極性障害(躁うつ病)の診断と治療ガイドライン. 日本うつ病学会. 2020.
- Merikangas KR, et al.. Lifetime and 12-month prevalence of bipolar spectrum disorder in the National Comorbidity Survey Replication. Archives of General Psychiatry. 2007.
- Goodwin FK, Jamison KR. Manic-Depressive Illness: Bipolar Disorders and Recurrent Depression (2nd ed.). Oxford University Press. 2007.
- Geddes JR, Miklowitz DJ. Treatment of bipolar disorder. Lancet. 2013.
免責事項:本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の個人に対する診断・治療を目的とするものではありません。体調に不安がある方は必ず医療機関を受診してください。
著者:長友 恭平(精神保健指定医 / よつば加納クリニック 院長)|最終更新:2026年4月
著者:長友 恭平(精神保健指定医 / よつば加納クリニック 院長)|最終更新:2026年4月

